PPL2019では,以下の2件の招待講演を予定しております.
萩谷 昌己 | 東京大学 |
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プログラミング教育の現在と未来---特にプログラミング分野専門家への期待 | |
植山 類 | |
lldリンカ: 次世代の標準開発環境を目指したソフトウェアの開発 |
萩谷 昌己(東京大学)
小学校や中学校のプログラミング教育についても触れながら、高等学校の情報科の新しい学習指導要領、高等学校の情報教育の現状と課題について述べるとともに、高等学校と接続する大学共通教育としての情報教育の現状とそのあるべき姿について論じる。 小学校から大学、特に情報の非専門家のための基礎教育に至る一環した情報教育の可能性についても触れる。 特にその中でプログラミング教育の重要性について述べ、プログラミング分野専門家が求められていること、さらに、プログラミング教育におけるプログラミング研究の可能性について論じる。
東京大学情報理工学系研究科教授。 プログラミング言語、ソフトウェア工学、分子コンピューティング、自然計算などの研究に従事する一方で、情報学分野の参照基準の策定や、大学入学者選抜改革事業におけるルーブリック作成など、情報教育に関する諸活動に従事している。 情報処理学会情報処理教育委員会委員長、日本学術会議情報学教育分科会委員長。 東京大学情報教育運営委員会委員長。
植山 類(Google)
LLVMプロジェクトは、LLVMコンパイラ・バックエンドだけではなく、C/C++フロントエンドのClangやLLDBデバッガなど、コンパイラ・ツールチェイン全体を提供することを目標の一つとしています。 その中でプロダクション品質のリンカが存在していないことは長らくプロジェクトの課題になっていましたが、講演者はメイン開発者としてlldリンカの開発を行うことでその課題を解決しました。 lldは既存のGNUリンカと互換性がありつつも数倍高速であり、FreeBSDやOpenBSDなどの標準リンカとして採用されているほか、主要なコンソールゲーム機や、大規模ウェブサイトの内部など、様々な場所で広く使われています。 この講演では、人気のあるオープンソースソフトウェアを作るために講演者が考えていたことや、ハイパフォーマンスかつシンプルなデザインのプログラムを書くための考え方などについて話をします。
Googleソフトウェアエンジニア兼スタンフォード大学大学院のコンピュータサイエンスの学生。 LLVMプロジェクトのサブプロジェクトであるlldリンカのプロジェクトオーナー。 オープンソースの小規模Cコンパイラ8ccの作者でもある。